キャメルはラクダ科の動物で原産地は、中央アジアのアルタイ山脈とタリム河との間にある砂漠と推定されています。主としては中国、ソ連(旧)、チベット、イラク、イランなどの中央アジアの砂漠地帯で飼育され、年一度晩春から初夏の脱毛期に熊手のようなもので採毛されます。繊維として利用できるキャメルの毛がとれるのはふたこぶラクダのみで、一頭のラクダからの採毛量は極めて少なく、全世界での産毛量も羊毛の0.1%にしかすぎません。
ラクダの毛の外側の大半は粗硬毛で、針金のように強靭ですが、内側の毛は細い軟毛です。カシミヤと同じく整毛した後の柔毛は柔らかくて光沢があり高価なものとされています。
原毛の色はキャメルカラーで、漂白が困難な為、普通は染色せずにそのまま用いられます。
キャメルの毛は高山の寒気や吹雪の中で体温を保護する一方、砂漠の高温の中で身体を涼しく保ための温度調節機能を持っています。毛質はやや硬めで短い繊維なのですが、保温性に優れています。
・ 保湿性、弾力性に富む。
・ 軽く、手ざわりがよい高級品。
・ラクダ色の独特の光沢。
・ 染色性が悪く、ほとんどがナチュラルカラー。
・ 生産量は、羊毛のわずか0.14%程度。きわめて稀少な繊維。